理事長所信


一般社団法人栗山青年会議所

2017年度

第49代 理事長 中井 浩輝

 

LOMスローガン

「繋ぐ想い」

~咲かせよう未来への花 夢・希望を満ち溢れさせるために~

 

          

【はじめに】

様々な時代背景の中、私達がこうして存在しているのはなぜなのか。今、こうして生活ができているのは、先達が大きな試練に挑み、未来の姿を想い描きながら築き上げられたから他なりません。時代が求める理想は変わりゆくものですが、いつの時代もまちの発展と地域住民の幸せを願って勇気をもち、行動してきた青年達がいました。人は一人では生きていけません。生まれたときから多くの人の支えがあって今の自分があるのです。私は青年会議所と出逢い、多くの学びを得る機会をいただきました。そこで出逢う人々、経験、支えてくれる人、すべての事柄があって今の自分が形成されていると考えます。自分のことしか考えてなかった入会当時から比べると、まちの為、ひとの為へと意識や行動する意義を抱けられるようになりました。すべての事に感謝の気持ちしかありません。このまちが好きだからこそ感謝の気持ちをもち、今を生きる私達は、「繁栄の礎」を継承していくと共に、希望をもってこの地域の輝き放つ未来を描いていく事が必要不可欠です。すべては未来のこの地域に住まう人々の為に他ならないのです。自分達のまちをより良い環境に導くには、そこに住まう一人ひとりの無関心を関心に、関心を意識に、意識を行動に変えていく事が必要です。まずは、責任世代といわれる20代から40代までの私達青年が、激動する社会に目を背けず立ち向かい、より次元の高い修練の場である青年会議所活動を通して成長を図り、積極果敢に行動し、この地域の発展につながる運動を弛まなく続けていかなくてはいけません。関わるすべての人への感謝の御恩を感じ、すべての関わりの中から、より大きな運動へ紡いでいく・・・・未来の事は誰にもわからないが、今、未来を創っているのは私達である事だけは唯一わかっていることなのです。

 

【地方創生】

人口減少や少子高齢化が進み、そして生産年齢人口が減れば、日本の国力は明らかに低下し、財政破綻など様々な問題が生じ、我が国日本の未来はありません。2040年には全国1,800市区町村の約半分の896市区町村の存続が難しくなるとの報道は衝撃的なものでした。統計として2040年に人口1万人未満の523自治体については消滅する可能性が高いとされ、この南々空知4町すべてがそれに当てはまります。この現実を誰が受け止めるべきなのでしょうか。危機感は自治体も持ち合わせているはずです。栗山町役場においては、「くりやま若者シティプロモーション事業」、「ブランド推進」などの取り組みがなされ、我われJCメンバーも現行で携わる機会を頂戴しています。そこで浮彫となるのは、この地域には、恵まれた自然・観光地・施設などの社会資本があり、同時に、この地域ならではの歴史・文化・暮らし・伝統行事・食などの豊富な資源が付加価値として無数に存在している、ということです。ましてや観光やグローバルの観点からしても、「ヒト・モノ・コト」において十分に闘える素地があるとも考えます。しかし、大きな問題は、単にそれぞれが個別に存在しているだけでは、何もないものと同じであり、機能性や利便性も含めて、魅力としては単体のものとなってしまうことではないでしょうか。より単体だけの機能や魅力ではなく、「ヒト・モノ・コト」の視点において、我われ栗山JCの活動範囲とする広域連携を図りつつ取り組むべきと考えます。そこの地域に行ってみよう!行ってみたい!と思わせるものを複合化し、つなぎ合わせることで、さらに魅力が倍増するような関係性をつくらなければいけません。そして、その行動と結果へのひとつの指標となるものが、交流人口であると考えます。ここでしか味わえないものや、ここでしか体験できないものを、一人でも多くの方々へまずは評価・認識していただくことが必要であり、交流人口が増えれば増えるほど、この地域への定住やプロモーションが加速していくのではないでしょうか。産官学の知見と連携から成る相互の切磋琢磨が、地方消滅の懸念を拭い去ってくれることに違いありません。幸いにも我が組織には、栗山町はもとより、由仁町、長沼町他で生業を営むメンバーが数多く存在してくれます。より密な連携と強い発信力を求め、栗山・由仁・長沼・南幌をより重点的に繋いでいく事を念頭に置き、交流人口と地域連携を図り、様々な特色を見て感じて体験してもらうことで魅力を発信していこうではありませんか。今、求められるのは、地域が自らの力で立ち上がっていこうとする新しい変化を継続的におこしていく事であり、どこにでもできる事ではなくここでしかできない希少性だと考えます。その地域を選んでもらうためには、私たち自身が地域の魅力を感じ、把握し、その地域の人や魅力、特性の化学反応を起こすきっかけが必要なのです。

 

【心の豊かさ】 

 こうしている今も尚、世界では生きたくても生きられない子供が沢山おり、水や食べ物が不足し、餓死してしまう子供達が存在します。不況やデフレ問題が取りざたされる日本ですが、世界を見渡し比較してみると、経済的にはまだまだ裕福な国のひとつと云われ、子供が貧困を理由に命を落とすニュースなどはあまり見聞きしません。しかしながら、理不尽な動機を基にした不可解な事件が多く、いじめや自殺、親が子を、子が親を殺めるなど想像を絶する事件が、次々に起こっています。その様な凄惨な事件は、都会や首都圏の問題だけでなく、私達の身の周りにも起こらないとは限りません。習い事やテレビゲームが生活の比重を増し、携帯電話やスマートフォンなどに依存するうちに、コミュニケーションさえもSNS等に頼った表面的な付き合いしかできなくなっているように思われます。放課後に友達と汗をかいて遊んだり、仲間と面と向かって喧嘩をしたりする事も出来ず、バーチャルな世界に浸り、たわいない「いいね」に安堵し、リアルな行動や対面で得る学びを直視出来ない人が増えているように思われます。子供たちは日々何かしらのストレスや不安にさらされており、失敗する事に免疫がなく様々な問題を引き起こしていく大きな原因のように見受けられます。そんな危惧と懸念を拭い去るための解決策の1つは、五感の崩れたバランスを取り戻すことであると考えます。人間には、「視覚」「聴覚」「味覚」「触覚」「嗅覚」という五つの感覚があり、人間らしく五感から育まれるものは、健全なる成長へ導くと考えます。私も幼い時は、泥んこになって日が暮れるまで遊び回って、危険なことも含め自然から知恵を授かり、遊びを考案するなど、その過程で創造力や仲間とのコミュニケーション能力や体力などを身につけていました。この地域では圧倒的な自然や美しい四季折々の姿を体感することができ、土や草花に触れ、体も脳もフル回転で使う場が沢山あります。また、私は仕事柄、植物から育む心の豊かさを信じています。植物は、しゃべることはできなくとも育ててみると昨日なかったところから芽が出たり花が咲いたり、こちらが元気をもらえ家族のような存在にも成り得ます。植物が芽を出し、花弁を咲かせ、健気に散る姿は、ひとに生きざまを教えてくれているかの様です。どんな環境におかれても、花は太陽に向かい精一杯咲くのです。仮に種類やカタチ、色が違っていても、ひとつの束になってみたり、新しい組み合せになってみても、互いが互いを活かし合い、共存共栄する美しさを教えてくれます。未来を担う子供たちが、この地域が誇る潤沢な自然環境に触れ合い、その皮膚感覚を通して感性を磨き、知性を高め、感謝の心や将来への夢や希望を育むことこそが、豊かさであると考えます。一人ひとりの感性や知性を磨き、五感からこの故郷への感謝の気持ちを体感し、豊かな心を共に育もうではありませんか!

 

【スポーツでまちを元気に】

 私は、創立45周年記念の際、実行委員長という立場において「スポーツでまちを元気に」とテーマを掲げ、2019年(50周年)への道程に向かって、まちづくりに身骨を砕く宣言をさせていただきました。栗山青年会議所が地域に誓った本事業は、持続可能なプランをダイナミックに展開していく必要があり、委員会や役職やキャリアを超えて積極果敢に取り組んでいくべきと考えます。また、昨年はブラジル・リオでのオリンピックが開催され、3年後の東京オリンピック開催へ向けていく機運を垣間見つつ、改めてスポーツが持つ可能性を感じずにいられませんでした。する人、見る人、支える人のすべての人が主役に成り得る物語が沢山あり、目標へ向かう姿やドラマ、育成や強化におけるストーリーは、どれも参考になるものばかりです。しかし、我われにとって今、一番大事なのは、運動自体の趣旨をフォーカスすることであると考えます。地域住民が明るく豊かで、喜びを感じ生き生きと生活出来る環境を作ることをまちづくりと定義づける中で、そのビジョンをなす為に様々な手法がある一つの方法としてスポーツがあり、そこから得られる充実感や達成感の個人的価値、スポーツを通じて形成されるコミュニティ・住民交流の場等の社会的価値、既存の運動施設や各関連企業の活性化等の経済的価値があり、これらの価値を秘めているスポーツはハード面やソフト面も豊にできる効果を発揮し得る多様な魅力を有しています。運動事業立案の基礎に返り、「誰の為、何のため、どうなるか」の仮説を打立て、「いつ、誰が、どのように」コミットメントしていくのか、年初に明示し、単年度制というデメリットと50周年へ在るべく姿に折り合いをつけた「覚悟」を、メンバー全員と共有したいと思います。そして、2019年迄の戦略を加味した中身と覚悟を2016年度より立案した「スポーツマチゲンキ PROJECT」に植え付け、もっともっと加速させていきます。何をするか以上に、どう在るべきかを問い、覚悟を決める年にしたいと考えます。誇るは、我われ地域の「スポーツの素地」です。「地方創生」で前述した「ヒト・モノ・コト」をスポーツにおいて誰なのか、何なのか、どう在るべきかを導き、地域住民に対しても明示していきたく思います。

 

【仲間づくりはまちづくり】  

会員の減少はどのような組織においても大きな課題であります。青年会議所にとっても組織存続のための大きな課題であり、それ以上に私達にとっては運動そのものであるといっても過言ではありません。多くの仲間が入る事によって、互いの考え方や刺激が成長の源となり、それが己自身の身の回りのすべての事柄に影響を与え、まちづくりに生かされていくものだと考えます。世の為、人の為に尽くせる同志をより増やし、若者が声をあげて弛まぬ運動をしていく必要があります。まずは、私達自身が、JC活動を楽しく真剣に取り組む姿勢を見せる事はもちろんの事、会員拡大は日々の積み重ねの他ならないのです。対象者に対し、時にはまちで会った時の声かけや、様々な繋がりから少しずつ相手の意識を変える姿勢も必要ですし、私達の運動事業の際には、共にまちづくりを体験してもらう絶好の機会とするべきです。そして、日頃からメンバー間で、対象者が今何に興味があり、仕事も余暇も含め、どの様なライフスタイルを有しているのか、たとえ小さな情報でさえも共有しつつ、対象者の決断へ導く糧としていくべきなのです。継続して行っている会員拡大の歴史で得た情報を円滑に引き継ぎ、持続的に計画を立て環境整備を図り、必ず入れる!という気概を持って会員拡大を推し進めてまいります。

 

【会員資質向上】

私達JAYCEEが地域を主体的に引っ張っていくリーダーとして、まちを元気に人々が幸せに暮らしていけるよう明るい豊かな社会を築いていく為、JAYCEEとして、また青年経済人として成長し続けなければいけません。しかし、近年の平均在籍年数を推し量ると、かつての状況とは異なり入会3年未満のメンバーが多くなってきています。本来であれば中期的な年月を経て、様々なリーダーの背中を見て、青年会議所の活動の意義やJCならではの教えを、役職を通して得る時間がありました。しかし、現在のような在籍年数の短期化やメンバーの構成によって、互いに学び・伝えきれないでいる環境の中でも、今後のJC運動に主体性をもって果敢に行動出来る、責任意識の高い人材へと育成をしていかねばなりません。青年会議所は、各地域の問題課題を抽出しながら運動事業を行う過程において、非日常的な活動経験の中から、時間の使い方や責任感、人との交渉や、時に障害にぶつかることで、己の環境を見つめ直す機会を生み出す大事な要素が含まれていると考えます。そのプロセスの場面は、青年会議所の三信条である「奉仕・修練・友情」を実践する事により次代を担うものとして、また青年経済人としての資質を育む貴重な一齣であります。社会に対する利他の奉仕精神があり、修練や壁・障害があり、それを乗り越えようとするからこそ成長があり、その実践の場を共にする仲間がいるから固い絆が生まれるのです。そして、各自の役割や責任をしっかりと遂行していく事こそが、個の資質を高め、運動事業を更に加速させることと考えます。また、JC活動に関わる事や運動事業に積極的に参画する事から感じる、目に見えない価値の一つに「志」があります。志とは、時に心に決めた目的や目標のことでもありますが、最も重要なことは、自分の世代では成し遂げられないほどの、素晴らしい大きな何かを、次の時代へ切り拓き紡いでいく意思ではないでしょうか。そしてそれは、タガタメ(誰が為)への大きな志であり、使命感に課せられた自分の任務を果たそうとする気概であります。これらの精神をしっかり育むことによって我われは、青年経済人として、人として、自分だけよければそれでよい、という利己的な考えから客観的になり、成長する事が出来るのです。人の為に、誰かの為に、という利他の精神を学ぶ場であるのが青年会議所なのです。人を幸せにする=地域を幸せにする事であり、普段の活動や仕事でも同じ事が言えるのです。志・使命感を抱き、勇気をもって行動すれば、必ず自分自身も成長しJAYCEEの価値を感じる事ができます。青年会議所のルールを遵守し個人と組織の成長へと繋げていこうではありませんか。

 

【ふるさと田舎まつり】

私達の行動指針を決める際、活動基盤となる4町を視野に入れ単に広域連携の重要性を連呼することは非常に容易い事です。しかし、近年の運動事業の波及や、行動結果から見ると、まだまだ推進し超えていかなければならない溝は確実に多く存在します。地域をひとつ跨ぐということは、自治体をはじめそこにある農商工業、またはあらゆる既存の組織・団体・個人との相互理解や連携を余儀なくされます。私達が抱く広域連携の大義は、常に相手方の理解と共感を求めなくてはならないと考えます。2010年から始まった「くりやまマルシェ」を前身とした「ふるさと田舎まつり」は、夕張市を含めた南々空知1市4町の魅力を一同に会し発信することが可能な特別な機会です。前述した既存の組織・団体・個人の垣根を越えて、ふるさとの価値を存分に発揮でき得る貴重な場面と捉えます。また、ここで知り見聞きする味わいや体験は、この地域に足を運んでいただいた第三者を次の来町への機会へと結んでいく有意義な機会でもあるのです。そして、そこで感じていただく小さな魅力や発見が大きなご縁となり、次の可能性へと繋がっていくはずです。単なる2日間の飲食イベントに留まる事なく、全国から1万人を超える来場者をまのあたりに、この機会を地域ブランディングへとどう昇華させるのかは私達JCが担う使命であり、同時に広域連携を掲げるJCが携わる存在意義でもあります。私達青年会議所が、有機的な実行委員会組織の連携を導くと共に、ヒトとヒト、地域とヒト、地域と地域が繋がるよう、その過程を大切にし、積極果敢に取り組むことで地域の可能性を拡散・拡大していこうではありませんか。

 

【夕張川自然再生協議会】

平成27年2月1日、夕張川自然再生協議会が設立し、同時に魚道「サーモンロード」完成の歓喜と相まって自然産卵とそれを下支えする環境整備の在り方を考える時期にもなっていることは事実であります。忘れてならないのは、夕張川自然再生協議会発足へ導きだしたのは、私達栗山青年会議所であり、その趣旨はより多くの理解と共感を得て、この運動事業の推進力を増していく意図の他ありません。2007年に調査研究を伴いスタートした夕張川関連事業は、多くのメンバーの情熱と行動と多くの共感によって紡いできました。故郷の川を通じて郷土愛を育もうと挑んだ当時のJCメンバーの想いとそれにご賛同くださった多くの協力者の方々が描いていた未来の延長線上に、今の私達がいるのです。一方で、日々の暮らしの中では、住み暮らす地域の川の価値や恩恵を忘れがちになり、近年の台風被害や河川氾濫などの報道を目にすると、時としてそんな災害をも飲み込んでくれる、こんなにも大きく、恵み豊かな川が私達の身近にあるということに気づかされます。先人達は、生活用水や農業用水での活用と氾濫との苦闘の歴史の中で、この地域を豊かにしてくれました。現代に生きる私達が、当たり前に享受する恵まれた故郷の川への感謝の気持ちを育み、サケ・マス遡上などに希望を抱いてくれる方が一人でも多く増えたのなら、地域住民の誇る気持ちがまた一つ増えるのだと考えます。創始からメンバーとして9年間歩んできた様々な挑戦と経験を知る私自身が、歴史を紐解き、新たなメンバーのチカラを引出しこの運動事業を躍進させてまいります。そしてこの運動に尽力くださる多くの協議会メンバーや地域住民、関係各所と共に推進力をもってその先の未来へ繋いでまいります。

 

【結びに】

自ら進んで行動する事が私達の使命感であり、それこそが存在意義でもあります。この青年会議所での活動を通じて得たすべての出来事は、絶対に無駄ではありません。但し、自らが一生懸命向き合うのであれば・・・。活動していくごとに、どこかで自らが「JC」だったら、「JC」だから、というように言葉に出しているはずです。それは、そこに想いや学び、誇りとなる何かが思えるからこそであります。自ら一人ひとりが、地域のため、楽しく学び・成長し、公との繋がりの中でそれぞれが個性を発揮することで、この地域のより良い発展に貢献していこうではありませんか!成長は得るものだけでなく、失う事で本当の成長がある事はJCで学べる大きな財産の一つです。失敗がないのは挑戦してない証、挑戦した結果から得る何かは、例えそれが失敗と云われようとも成長の素です。メンバーが一つとなり勇気をもって行動していく、何をすべきかを常に考え行動・成長していき、より多くの人を巻き込みながらやる1年間の運動事業の成果は、次の時代への架け橋となり故郷や地域社会を喜びや夢・希望に満ち溢れさせることとなります。 

 

TRY CONNECTING TO THE FUTURE・・・