新春スペシャル対談「スポーツのチカラについて」




「人の心を動かす、人を奮い立たせる、感動を与えてもらえる」そういうマチです。(栗山監督談)

 

中井理事長(以下中井): 今日はよろしくお願いします。この度は日本一おめでとうございます。

 

栗山監督(以下監督):ありがとうございます。栗山のみんなが応援してくれたのは分かりましたし、大変励みになりました。

 

中井: 私も日本一の瞬間は年甲斐もなくはしゃいでしまいました。(笑)苦しいシーズンだけに優勝のよろこびも格別だと思いますし、栗山町に帰って来られた時のお気持ちをお聞きしたいのですが。

 

監督:前半戦は相当苦しかったですし、いいところまでいっても強いフォークスになかなか勝ちきれない。でもうちの選手は20代の選手が多くて、その若い子らが非常に頑張ってくれて、だから、何が何でも勝たせてあげたくて、その結果フォークスにも勝ち、クライマックス、日本シリーズと進んでって、日本シリーズの最後の試合前に選手が円陣組んだ時に私が声出ししたんですが「行ってみないと見えない景色がある。行ってみないとわからない景色がある。だから全員で見に行くぞ!!今まで頑張ってきた事の確認をする為にどうしても勝ちたかったので勝った時は放心状態というか(笑)なんかボーっとしてましたね。でも栗山に帰ってきてみんなが喜んでくれてる姿を見てそれで実感出来て頑張って来れば何か意味があるんだな~って心底思いましたね。

 

中井: 私も優勝の瞬間はパブリックビューイングで観戦してて、知らない人とハグしたり、ハイタッチしたり、何か一体感がすごい感じられたんですよね。それってスポーツの魅力の一つですよね。

 

監督:そうですね。スポーツって健康もそうだし、仲間への思いだったり色々ありますけど、僕は今プロ野球という立場にいて、接着剤になりたいというか、僕は今ファイターズを通してみんなが喜んでくれたり、やっぱり北海道を代表としてみんなが誇れるように、その自分が住むマチが素晴らしいかったと思えるようにという意識はすごいあるし、やはり人と人とが繋がってより大きな魅力を感じられるし、僕らを通じて元気になってくれればうれしいしね。そういう象徴になれたらいいなと思いますしね。

 

中井:本当に元気をもらっていますし、最早、我々道民の誇りだと思います。我々は2014年度に栗山JCの創立45周年がありまして「スポーツでマチを元気に」と掲げました。以来その活動を継続しておるのですが、スポーツって様々な関わり方があると思うんです。見る人・する人・支える人。そこから生み出される交流人口・コミュニュティ創出だったり多岐に渡ると思います。そんな中本年度はスポーツまち元気PROJECTという形でTシャツなんかを

 

監督:あ~この前の例大祭でTシャツ着たよ。あれいいよね!今年はどんな動きとかをしたの?

 

中井:覚えててくださってて光栄です。今年はボクシングスキニー教室、ボクシングを主としたエクササイズなんですが非常に女性の方に好評でリピーターとかも多かったんですよ。それに子供運動塾と言って小学校低学年対象で行ったんですが、多くの子供たちが集まってくれて非常に楽しんでくれていましたし、スポーツセンターと連携を築いて一つの事がやれた事が大きかったです。やはり、このプロジェクトもそうですがより多くの人が関わってひとつの事業が出来る事は更なる発展にも繋がる事ですし、これからもっと強く推進していきたいと思うのですが、監督の考えるスポーツの持つ地域活性化の可能性をお聞きしたいのですが。

 

監督:一つの方向を向く。例えばスポーツってこれで頑張ろうとかファイターズならファイターズ日本一になって欲しいとか、要するにチームを率いてなおさら思うかもだけど、あれだけ違うタイプの人間がいて、同じ価値観を持たせるのはまず無理だと思って、だったらみんな同じ方向向こうぜってたとえば日本一になろうぜ!とかそれだったら向けるじゃない。だからマチもいろんな生活・人生送っている人がいるし、それを全部一つにまとめるのは難しいと思う。でもマチを元気にしょうとかそういう方向だったらみんな向きやすいかもだし、その手法で「スポーツ」っていうのは非常にいいし、そのためには元気があることだと思うし、そういう意識がないと正しい方向には向かないと思うし、体を動かしながらスポーツを通じてなにか少しでも感じて頂ければ嬉しいし、やはりコミュニティが大事だよね。

 

中井:たしかにその方向性というかきっかけが大事ですし、やはり前向きに物事を進めれれば必ず良い方向に行くと思いますしね。

 

監督:そうそう!野球でも調子悪い選手が悩んでて打てなくてもちょっとしたきっかけですごい打つようになったり、やはりそういう選手は前を見て練習しているもんね。

 

中井:栗山監督の教えが良いからですね。 

 

栗山:「うまいね~。」(一同笑い)

 

中井:監督のような良い指導者って絶対にスポーツでまちづくりをする上では必要だと思いますし、子供たちの夢を叶えるには必要なピースだと思うんです。あとそれを叶える施設だったり、色んな環境整備が必要だし、栗の樹ファームもその一つだと思うんですね。監督は全国各地の様々な施設や取り組みを見てこられてきたと思うのですが。そこと栗山町の違いとかって何ですかね?こういうものがあったらいいよね!とかありますか?

 

監督:やっぱりアメリカの環境には勝てないよね。アメリカって芝の文化だし、野球場もそうだし、フットボール場、小学校なんかもそうなんですよ。やはり、芝の環境があってその施設が立派とかじゃないんだけど、子供たちや選手はおもいっきったプレイも出来るし、ケガとかもしづらいんだよね。自然に接する環境が原点だと思うので、当然日本にもすばらしい施設や環境もあるんですけど、アメリカや西洋と比べてまだ向こうの方がスポーツを通じて一つにしようとしているイメージが強いかな。でも僕は、栗山町の環境が劣ってるとは思わないし、少なくとも僕は好きだし、最低限ありますよね。例えば野球場が二つあったり、サッカー場だってあるじゃないですか。みんなからしたらもっと欲しいと思うかもしれないけど、他のマチからは羨ましがられているかもだしね。僕も他で聞かれたりしたら、栗山が一番いいって言うしね。「要は使い方次第」だと思う、この町はコンサ呼んだり、まちの人にパワーがある。まちの人にパワーと知恵がないと活かしきれないし、そういうのを感じて俺がここにいるわけだし、自分でこの町は素晴らしいとは言わないけれど、一番いいものがあると思う。

 

中井:いかに有効的に使うかが重要なんですね。僕は子供たちやスポーツをやっている子たちに途中でスポーツや夢を諦めて欲しくないんですね。せっかく少年団で野球をやっていたのに、中学にあがっても野球部がなくて諦めなければならないとか練習する場所がないとか野球だけではないですが、そういう環境を整えるのは大人の責任だし、僕らはそれをやらなければならないのだと思います。

 

監督:いや~そのとおりだと思います。

こういう若者達がいるとマチは心強いね!

 

中井:僕らの事業で毎年子供達の健全な育成や自然と触れ合う事で子供達に豊かな心を育んでもらおうとサマーキャンプを企画しております。やはりその中で感性や知性を高めて子供達に夢や希望を持って欲しいと思いますし、さらにこの地域を好きになって誇りを持ってもらいたいですし、その子供達が大きくなったらこの地域をまた次の世代へと繋げるような人材になってもらいたいと考えています。監督は少年団や野球教室などで子供達と関わる事もあると思うんですが、今の子供達に期待する事などありますか?

 

監督:好きなものを見つけて欲しいよね。なんでもいいと思う。スポーツじゃなくても本読んだりする事だったり、絵を描くことだったり、それに対して向き合うじゃない。自分なりに考えるて行動するし、そこから見えてくるものもあるし、好きなものがあるって素晴らしい事だからぜひ見つけて頑張って欲しいですね。

 

中井:やはり好きなことならとことんやろうとか思いますしね。

 

監督:そうだよ。目標とかすごい大事だし、目標を立てたらそこに向かうだけだしね。

 

中井:そうですね。こうして監督とお話出来てるのも夢というかぶっちゃけ自分の目標というかイメージにありました、でもそれだって青年会議所の先輩達やいろいろな関係者との繋がりで監督は栗山町に来られたと思うんです。17年前に栗山町に来られた当時の栗山町のイメージと今の栗山町の違いってなにかありますか?栗山に来たときのエピソードなど印象に残っている事とかってありますか?我々の先輩達のお話でもいいいですし。

 

監督:自然環境にまず惚れたし、何より人にパワーがあったよね。当時はJCメンバーがいっぱいいたし、今はみんな大変だと思うけど、最初は一人のメンバーが事務所にいきなりビデオ持ってきてさ。「これ見てください。うちのマチに来て下さい。」って(笑)びっくりしたんだけどその人に言われた通り後日ビデオ見てさすごい魅力を感じたし、興味が湧いたのね。後から聞いたら僕は「栗山千明の次で栗山千明の事務所に入らせてもらえなかったみたいですけど。(笑)それだって一人の突破じゃない?それがガラッと景色を変えるし、色んな事が見えて来るしね。最初は天野さんだったり、吉田さんだったり、今では高杉さんだったり、塩見さん、鳥山さんだったり、良い悪いって周りが言う人がいるかもしれない。でも自分達が芯持ってやってる事、なんかそういう人達の姿に惚れたし、そういう人達のパワーに惚れたよね。このマチなら俺がやりたいこと出来るなって思ったし、それは間違いじゃなかったよね。よくさ、東京とかでも聞かれるんだけど栗山町のどこがいいんですか?「人の心を動かす、人を奮い立たせる、感動を与えてもらえる」そういうマチです。って言ってます。今のJCはメンバーが少なくて大変だけど、そのパワーだけは持っていて欲しいね。

 

中井:そういう経緯があったんですね。やはり先輩達のパワーは凄いなって感じますし、僕らも負けてられないですね。

 

監督:うん。それを先輩達は期待していると思うしね。

 

中井:監督も自然環境に惚れたと言っていましたが、ご存じかと思いますが、2007年から故郷の川をとおして故郷愛醸成の為に多くの方々を巻き込んで行っている夕張川の事業があります。サケがいなかった川から地域住民が力を合わせてここまで帰ってきた事は素晴らしいですし、誇りを持って頂きたいと思うんです。監督も栗山に帰って来た時には見に行ったと聞いておりますが、それはどのようなお気持ちで。

 

監督:監督になるまでは結構こっちにいたので、里親から放流していろいろやって育ててたのでその経験もあるし、俺からすると東京にいるとサケが帰ってくるってすごく不思議なのよ。こっちの人は当たり前かもしれないけど、離したものが帰ってくるって感動的だし、そういうものが次に繋がっていくと思うんだよね。俺もその活動にはすごい興味あって、JCとか高橋槙さんらが一つの形にしてくれて、ほんと勇気もらったし、感動を頂いたよね。余計このまちが好きになったよね。だからこの事も記者によくしゃべるし(笑)

 

中井:わたしもサケが確認された時は感動しましたし、勇気をもらいました。やはりいろんな事ができるのも「繋がり」って非常に大事だと思うんです。私が今こうして監督とお話できているのも先輩達が繋げてくれたおかげですし、我々もその絆を未来に繋いでいかなければならないものですし、非常に大切な事だと思うんですよね。だから、2017年度のスローガンを「繋ぐ思い」とさせていただきました。今、人口減少、少子高齢化など様々な問題があるなかで、まち単体ではなくこの地域の価値や魅力、モノやヒトだったり、たくさんありますが、そういったものを組み合わせれば監督のおしゃるパワーが生まれたり、活性化に繋がると思うんですよね。

 

監督:行政がいうことも分かるし、自分が今やろうとしている事が正解か分からないけど。先輩方から野球という環境と、当然その中で飯も食わなければいけない、でも次世代に繋いでいかなければいけないその為にはスター選手が必要だし、球団と一生懸命やっている。それと一緒。本当に必要なものはなんなのか。ただそれだけだと思う。次世代に繋げたい想いがあるのなら、大きな規模でやらないといけないし、超えないといけない事もあると思う辛いかもだけどそこは立ち向かって欲しいし、何のために何をするのかという根本がはっきりしてれば関係ないし、自分はそうやってきたつもりだしね。是非その志を持ってやって欲しいし、最後はずっと言っている事が正しければいいと思うし、その時ダメでも想いがあればいつか気付いてもらえると思うし、是非ぶれずに押し通してもらいたい。

 

中井:そうですね。まちを次代に繋げていくには、地域間・行政・団体そういった垣根を越えて行くことが必要ですし、地域の人達ひとり一人が、まちづくりを自分事として捉え自分の地域は自分達で変える・守るという高いモチベーションを地域の人に持ってもらう事が重要だと考えますし、我々JCがそういう繋げ役というかそういう部分を担ってまちを元気にしていきたいと思います

 

監督:是非頑張ってくだい。古い水夫は海の怖さや荒波を経験しているから躊躇して既存の航路を行くけど、新しい水夫は怖さを知らないから失敗はするかもだけど、新しい航路を見つけるんですよ。常に新しい航路を切り開くのは若い次世代のあなたたちなので、ぜひ恐れずに挑戦していただきたいと思います。期待してます。

 

中井:ありがとうございます。最後に監督のこれからの目標、夢についてお聞きしたいのですが。

 

監督:北海道のみなさんがもっともっとファイターズを愛してもらうにはどうすべきかに尽きますし、将来的にはもっと生活に密接な関係になっていければ嬉しいですし、そういうベースを作る事が夢のひとつです。それと僕が監督を辞めたら栗山にずっといるし、子供達が子供達らしく、この自然がいかに素晴らしいことなのか伝えていきたいし、慎さん(夕張自然再生協議会高橋慎代表)のやっている事を手助けが出来るような事がしたいですし、本当に17,18年前ここに来てよかったと思っているので恩返しがしたいですね。ロッキーズからファイターズに行く選手がいたらいいよね・・・

 

中井:素晴らしいお話ありがとうございました。我々も栗山監督を少しでも見習いまちづくりに奮闘します。本日はお疲れのところありがとうございました。来期も頑張ってください。本日は誠にありがとうございました。(握手)

 

 


 The editor's notes・・・

 

この日急遽、念願であった北海道日本ハムファイターズ監督栗山英樹氏との対談が決まり、仕事を切り上げ急いで現場に向かいました。中井理事長はじめ、数名のメンバーも仕事を早々に区切りをつけ集合し、その前日に正力松太郎賞を受賞した事もあってか栗の樹ファームにはたくさんの花束が置いてあり、中には「長嶋茂雄」と書かれていた花を見てさらに緊張感が高まり、栗山監督の到着を待ちました。。過酷なシーズンを戦い非常に疲れておられるはずなのに、僕らに気を使って頂き、気さくに話していただき、僕らの「スポーツでまちを元気に!」ついての想いを聞いて真剣に応えて頂いた姿がとても嬉しく、励みになりました。私がこの対談を企画したのもスポーツで人と人が一体となる姿を見て、マチに一体感をもたらすスポーツの可能性に魅力を感じたからです。栗山監督は「このマチにはパワーがある」と言っておられました。その想いや情熱を絶やさず、これからの活動にいかしていきたいと思います。

 

 今回の対談にご協力して下さったすべての皆様に感謝申し上げます。

 

Date

  • 2016年11月18日

Places

  • 栗の樹ファーム

栗山町湯地22番地25

(JR栗山駅より車で約5分)

Editor

  • 栗山JC 総務委員会

委員長 天野 剛生